特に寒い季節になると、風邪は身近で厄介な存在です。
昔ながらの家庭療法や医薬品に加えて、エッセンシャルオイル(精油)の自然の力を取り入れる人も少なくありません。
では、エッセンシャルオイルは本当に鼻風邪や喉の痛みなどの症状に役立つのでしょうか?どのような香りのオイルが適していて、どのように使用すればよいのでしょうか?
この記事では、エッセンシャルオイルが風邪をひいたときの心身の快適さをどのようにサポートするのか、そして使用する際に注意すべきポイントをご紹介します。
読了時間:約6分

この記事でわかること
- エッセンシャルオイルは風邪に役立つ?
- 風邪や喉の痛みに適したエッセンシャルオイル
- 風邪のときのエッセンシャルオイルの使い方
- 風邪のときにできるエッセンシャルオイルの活用方法
エッセンシャルオイルは風邪に役立つ?
エッセンシャルオイルは、花や葉、根、樹皮など、植物のさまざまな部分から抽出される高濃度の植物エキスです。
天然由来のエッセンシャルオイルには、生理活性成分が含まれており、心身にさまざまな作用をもたらすとされています。
抗炎症作用、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗酸化作用などがあるとされることから、古くから自然療法に利用されてきました。現在では、ストレスの軽減やスキンケア、風邪の際のケアなど、さまざまな用途に使用されています。
エッセンシャルオイルは、風邪の症状の予防や緩和を目的として使われることがあります。身体本来の働きに作用し、症状を和らげ、回復しやすい環境を整えるとされています。
その作用は、それぞれのオイルが持つ分子構造や生理活性成分によって異なります。
抗菌・抗ウイルス作用:
エッセンシャルオイルの中には、ウイルスや細菌の働きを抑えるとされるものがあります。例えば2021年の研究では、ユーカリオイルに抗菌作用があり、呼吸器をサポートする可能性が示されています。
呼吸器のサポート:
一部のエッセンシャルオイルには、痰を出しやすくし、咳を楽にする作用があるとされています。その成分によって気道が広がり、酸素を取り込みやすくなるほか、喉や鼻の刺激を和らげる働きも期待できます。
特に鼻づまりや喉の違和感がある場合に、症状を和らげる助けとなります。例えばマウンテンパインオイルは、気道にたまった粘液の排出をサポートするとされています。
抗炎症作用:
カモミールオイルなど一部のオイルには抗炎症作用があり、粘膜を落ち着かせる働きがあるとされています。
免疫システムのサポート:
天然のエッセンシャルオイルの中には、身体本来の防御機能をサポートするとされるものがあります。
血行を促すことで栄養や酸素の供給を助けるとともに、身体が本来持つ回復プロセスを促します。ティーツリーオイルは、免疫機能をサポートする性質を持つことで知られています。
リラックスを促す:
エッセンシャルオイルを使ったアロマテラピーは、心身のリラックスや快適さにつながります。
ラベンダーやカモミールなどのオイルにはリラックス作用があり、睡眠の質を高める助けになるとされています。十分な睡眠は、風邪からの回復を支える重要な要素です。
ウイルスに対する環境への働きかけ:
一部のエッセンシャルオイルには、ウイルスのライフサイクルを阻害する可能性があるとされています。
ウイルスが生物に付着するために必要な構造に作用したり、空気中のウイルスを包み込んで地面へ落としたりする可能性が考えられています。
2020年のレビューでは、将来的にエッセンシャルオイルがウイルス性疾患の予防や治療に活用できる可能性があるとされています。
同レビューで引用された研究のひとつでは、ティーツリーオイルがインフルエンザウイルスA/PR6の増殖を抑制する可能性が示されています。
風邪や喉の痛みに適したエッセンシャルオイル

ユーカリオイル
ユーカリの葉から抽出されるオイルです。
副鼻腔や気管支にたまった粘液を排出しやすくし、痰を出しやすくする働きがあります。また、けいれんを抑える作用や、細菌の増殖を抑制する作用もあるとされています。
注意:乳幼児や子どもへの使用には適していません。
カモミールオイル
カモミールには、抗炎症作用や鎮痛作用があるとされています。
風邪や喉の痛みがあるときに気道をすっきりさせ、副鼻腔や鼻・口の粘膜の炎症を和らげる働きが期待できます。
マウンテンパインオイル
呼吸を深くし、身体本来の防御機能をサポートするとされています。
粘液をゆるめて気道から排出しやすくするため、特に鼻づまりや咳があるときに適しています。
ラベンダーオイル
ラベンダーオイルは、心を落ち着かせ、リラックスや睡眠を促す作用で知られています。
そのため、風邪をひいているときや回復期の休息をサポートするオイルとして活用できます。
ペパーミントオイル
爽快感があり、頭をすっきりさせるような香りが特徴です。
気道を開き、粘液を排出しやすくするほか、解熱作用があるとされています。また、抗ウイルス、抗菌、殺菌、抗炎症作用でも知られています。
清涼感があるため、風邪に伴って起こることの多い頭痛を和らげる目的でも使用されています。
注意:乳幼児や子どもへの使用には適していません。
ティーツリーオイル
ティーツリーオイルは、その幅広い性質で知られています。
心を落ち着かせ、空気を清浄にする働きによって、免疫システムや呼吸器をサポートするとされています。また、抗菌、抗ウイルス、殺菌作用があるとされています。
特にインフルエンザ様の症状や風邪の際に、症状を和らげるための補助的なオイルとして広く利用されています。
注意:ティーツリーオイルは乳幼児や子どもへの使用には適していません。
タイムオイル
タイムオイルは、去痰作用と抗炎症作用で知られています。
気管支の筋肉をリラックスさせ、粘液の排出を促すことで、呼吸を楽にする働きがあるとされています。咳や気管支炎からの回復をサポートします。
注意:タイムオイルは呼吸筋に影響を与える可能性があるため、乳幼児や子どもへの使用には適していません。
レモンオイル
爽やかで活力を感じさせるレモンオイルには、抗菌、抗ウイルス、抗炎症作用があるとされています。
免疫システムのサポートや室内の空気を清浄にする目的で使用されることが多く、発熱や身体の痛みを和らげる働きも期待されています。
エッセンシャルオイルを使用する際には、以下の使用上の注意を必ず確認してください。安全に香りを楽しむためにも、適切な使用方法を守ることが重要です。
風邪のときのエッセンシャルオイルの使い方
エッセンシャルオイルを使用する際には、いくつか重要なポイントがあります。
使用前には、薬局や専門家から情報を得て、自分に適したエッセンシャルオイルについてアドバイスを受けることをおすすめします。
また、以下の点にも注意してください。
使用量:
「少量から」が基本です。エッセンシャルオイルを原液のまま使用してはいけません。濃度が高すぎると、皮膚や粘膜を刺激する可能性があります。
オイルの品質:
適切に使用するためにも、100%天然の高品質なオイルの使用をおすすめします。
アレルギー:
エッセンシャルオイルによってアレルギー反応が起こる可能性があります。肌へ直接使用する場合や入浴に使用する場合は、あらかじめ少量で試すようにしてください。
乳幼児・子ども:
乳幼児や子どもにエッセンシャルオイルを使用する際には、特に注意が必要です。
ユーカリ、タイム、ティーツリー、カンフル、ペパーミント(メントール)など、一部のエッセンシャルオイルは子どもには適しておらず、けいれんや呼吸障害を引き起こす可能性があります。
エッセンシャルオイルを使用する前に、必ず資格を持つ専門家に相談してください。
医療上の注意:
心血管系疾患、喘息、静脈瘤などがある場合には、エッセンシャルオイルを使用する前に専門家へ相談してください。
風邪のときにできるエッセンシャルオイルの活用方法
エッセンシャルオイルには、風邪の症状を和らげ、回復をサポートするためのさまざまな活用方法があります。
使用するオイルや症状に応じて、次のような方法があります。

吸入
風邪の際にエッセンシャルオイルを使用する代表的な方法のひとつです。
お湯にエッセンシャルオイルを数滴加え、頭からタオルをかぶり、立ち上る蒸気を吸い込みます。
ユーカリ、ペパーミント、マウンテンパインなどのオイルが、特に吸入に適しています。
アロマディフューザー
アロマディフューザーを使うと、エッセンシャルオイルを室内の空気中に拡散できます。
呼吸を通して香りを楽しみながら、同時に室内を心地よい香りで満たすことができます。
市販されている天然のエッセンシャルオイルは、アロマディフューザーで使用できます。
マッサージ
エッセンシャルオイルを2〜3滴、アーモンドオイルやホホバオイルなどのキャリアオイルで希釈して使用します。
気道をすっきりさせるとともに、マッサージによるリラックス効果も期待できます。
タイム、マウンテンパイン、ユーカリなどのオイルが、この用途に適しています。
入浴
エッセンシャルオイルを使った温かいお風呂は、血行を促し、粘液を排出しやすくする働きが期待できます。
5〜10滴程度のオイルを、牛乳やハチミツなどの乳化剤と混ぜてから浴槽のお湯に加えます。
エッセンシャルオイルは、風邪の症状を和らげ、心身の快適さを高めるための自然な方法のひとつです。
ディフューザーで香りを楽しんだり、吸入したり、マッサージに使用したりと、さまざまな方法で取り入れることができます。
風邪の際にエッセンシャルオイルを使用するときは、オイルの品質や使用量、そして自分自身の体質や状態に注意しましょう。
ユーカリ、ラベンダー、ペパーミントなどのエッセンシャルオイルを適切に活用することで、風邪の症状をやさしく和らげることができます。
注意:Stadler Formのエッセンシャルオイルは、室内芳香用としてのみ使用することを目的としています。
エッセンシャルオイルを室内芳香として使用する際の安全上の注意
エッセンシャルオイルは、高濃度の天然製品です。
アロマディフューザーで使用する場合でも、「少量から」が基本です。
室内を定期的に換気することを前提に、1回あたり2〜4滴の使用をおすすめします。
アレルギー反応が現れた場合には、使用量や使用方法を調整するか、使用を中止してください。
また、妊娠中の方、乳幼児や子どもなど、刺激に敏感な方がいる家庭や、ペットを飼っている家庭では特に注意が必要です。一部のオイルは使用に適さず、呼吸に影響を与える可能性があります。
植物エキスに天然に含まれる成分など、アレルゲンに対して過敏な方も、エッセンシャルオイルや香料を使用する際には十分注意してください。
判断に迷う場合には、医師や薬剤師などの専門家へ相談することをおすすめします。