安藤氏は、2000年に東京コレクションでデビュー。以降、複数ブランドでの経験と外部デザイナーとしての活動を経て、2015年にレディースブランド「MIDDLA」を設立。現在もブランドを軸に活動を続けている。
装飾ではなく、素材や構造そのものが生む造形に向き合ってきたデザイナーだ。その姿勢は、プリーツ構造を起点としたバッグブランド「RECAMIER」にも色濃く反映されている。きっかけは、プリーツだった。
スカートのデザインを考える中で、布に規則的な圧をかけていくと、平面だった素材が自然に歪み、曲がり、やがて立体へと変わっていく。その過程で生まれた形が、偶然にも“巾着”に近い構造を持っていた。
「この形は、意図して作ったというより、構造から必然的に生まれたものなんです」 プリーツという技法が持つ物理的な特性から導かれた形。 それが結果的に、日本の伝統的な“巾着”と重なった。
和の要素は後付けだと安藤は語るが、むしろそこにこのブランドの本質がある。 意匠としての“和”ではなく、構造としての必然が、日本の形と接続している。
——本日はよろしくお願いいたします。まずはこれまでのキャリアについて教えてください。
安藤:
もともとはデザイナーとして活動していて、約25年前、2000年に東京コレクションでデビューしました。その後はブランドの変遷や外部デザイナーとしての活動を経て、2015年にレディースブランド「MIDDLA」で再びランウェイに立ちました。現在もそのブランドは継続しています。
コロナ禍をきっかけに、生地メーカーとの取り組みからメンズブランド「Ohal」もスタートしました。スビンコットンやフラットシーマ縫製など、素材や仕様に徹底的にこだわった白Tシャツを軸に、シンプルながらディテールに工夫を加えたアイテムを展開しています。

——現在展開されているバッグブランド「RECAMIER」について教えてください。
安藤:
もともとプリーツを多用したデザインをしていた中で、スカートの造形が巾着に見えたことがきっかけでした。そこからバッグとして成立させられるのではないかと考え、ブランド化しました。
プリーツをかけることで生地が自然に湾曲するため、構造的に巾着型にしかならないんです。結果的に「和」の文脈と親和性が高く、後付けではありますがコンセプトとして取り入れました。

——印象として、外国の方が好きになりそうなイメージです。海外での反応はいかがですか。
安藤:
中国・上海ではショールームが決まり、すでに卸も始まっています。一方でヨーロッパはまだ手探りの状態ですね。韓国にも関心はあるのですが、ファッションウィークの構造上、海外ブランドの参入ハードルが高いと聞いています。
——オフィス空間についても特徴的ですね。
安藤:
もともとカメラマンのスタジオだった場所で、撮影用途に適した白い空間がベースになっています。写真を撮りやすい環境を意識して、そのまま活かしています。
結構最近もう黒っぽいのしか着ないんですけど、メンズ(Ohal)を始めた時はもう白Tにすごいこだわったんで。
やっぱり振り返ると、白へのこだわりは強いですね。外に置いてあるコーンも赤から白に塗り替えました(笑)。

——さて、今回、オフィスに導入いただいた「Nick」サーキュレーターについての印象はいかがですか。
安藤:
今回のようにインテリア性が高く、生活感が出ないデザインであれば、オフィスにも自然に馴染みますね。空気環境を整えつつ、空間の美観も損なわない点は大きいと思います。

——特段、作業場での空気環境について気になる点はありますでしょうか?
安藤:
服づくりをしていると糸くずや細かい繊維が舞うので、空気の循環は常に意識しています。ただ、床置きのサーキュレーターは見た目や使い勝手の問題で使わなくなってしまっていました。
——そういう意味では、この「Nick」は見た目的にはかなり良い線行っているかなと思いますがいかがでしょうか?
安藤:
はい、気に入っています。他の商品もなのですが、こうしたバンブーを使っているものは多いのでしょうか?高級感があって良いですね。
先ほども言いましたが、第1印象で“扇風機っぽさ”がまったくなく、オフィスに生活感が出ないというのもポイント高いです。

——ありがとうございます。
安藤:
最初に、別のアイテムですが、展示会でStadlerFromのアイテムをお見かけしたときからデザイン性が気になっていました。
——では、今後の展望について教えてください。
安藤:
バッグブランドとしては新作を継続的に発表しつつ、これまでとは異なる展示会——例えば雑貨系の展示会にも挑戦していきたいと考えています。
また、最近はプリントによるコラボレーションの幅も広がっています。パリの文具メーカーとの取り組みをきっかけに、インフルエンサーや個人の写真を使ったカスタムなど、新しい可能性が見えてきました。
——私たちも、何か気になるブランドがあれば是非ご紹介させてください。
安藤:
ありがとうございます。過去には、消しゴムの「MONO」のトリコロールをプロダクトに取り入れたいと考え、株式会社トンボ鉛筆へ直接アプローチし、複数回の提案を経て採用に至った経験があります。
いいと感じたものは分野を問わず取り入れながら、ものづくりに落とし込んでいきたいですね。

安藤氏のデザインは、装飾を削ぎ落とした先にある。
形は、意図して作るものではなく、構造から導かれるもの。
そしてその結果が、たまたま“日本的である”こともある。
今後も安藤氏が展開をするプロジェクトに大いに注目をしてゆきたい。







